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SAYURI


評価 : ★★★
(2005/12/10公開 アメリカ/ブエナビスタ=松竹 146分)

絢爛
無垢
毅然

本当は順番で言えば「ザスーラ」を先に観たのだけれど、『「SAYURI」の感想、聞かせてね』という御意見を何人かにいただいたので先にこちらを投稿しておきます。興味あるけどどうなんだろう?という人が多いのかな。
実は12月23日に観た後、すぐに下書きはしてたんだけどねぇ、読み返してみたら、・・・うっわぁー、これどうしようかなぁ(汗)・・・というくらいの辛口トーク炸裂だったんで少し寝かせてました・・・おいらの感想でがっかりしなければいいが(笑)

内容は、幼い頃に置屋のおかあさん(桃井かおり)の元に売られた千代(大後寿々花)が、稼ぎ頭で芸者の中の芸者と言われる初桃(コン・リー)に嫌がらせを受ける毎日の中、橋の上で泣いている時に出会った会長さん(渡辺謙)に優しくされて想いを寄せ、その会長さんに近づくために稽古を頑張り、やがて時が経ち、初桃がおカボ(工藤夕貴)と姉妹縁組をした頃、初桃のライバルの豆葉(ミシェル・ヨー)が千代との姉妹縁組を申し出て、豆葉の指導のもとで花街一番の芸者「さゆり」(チャン・ツィイー)として成長するまでを描いた物語。
日本を舞台に日本人女性を主人公にしてその半生を書いていますが、原作者はアメリカ人のアーサー・ゴールデン。スピルバーグのビッグネームが前に出張っていたけれど、実際はスピルバーグは製作で、「シカゴ」のロブ・マーシャルが監督をしています(この監督らしい演出が随所に出ているので好きな人にはわかりやすいかと思います)。

えーっと・・・・・。
これはいったいどこの国のお話( ̄▽ ̄;)?

素晴らしいと評価する人もいるようですが、個人的にはちょっとあんまりにもあんまりすぎて笑うしかないくらいトンデモ映画だなあと・・・うあー、ハリウッドまたやっちゃったよー、外国人がまた大きな誤解をしそうな不思議の国トンデモニッポンが出来上がっていた気がするんですがぁ( ̄▽ ̄;)

いや、たしかに映像美とか演出とかは過去に日本を少しでも描いたどの映画よりも頑張ってると思うけど・・・でも、これ、どう見ても「日本の芸者」を描いたものじゃないよ・・・?(笑)
これが日本文化だと言われたら、西洋人は「オー!ジャパニーズ文化はビューティフルねー!」ですむんだろうが、日本で生まれ育ってその根底に流れる日本文化や日本的な情緒を知っている日本人であればまず納得できないんじゃない?
まあ外国人が作ったにしてはよくできていると思うけどね、彼らにとっては日本と中国は一緒なんだろうな~とはっきりわかるくらい中国ちっくな要素が散りばめられていて我ら日本人の知っている日本ではなくなっているのはいかがなもんかな~。他所の国の伝統的な文化を下敷きにしたお話を描くのに、きちんと描けていないってのはちょっと失礼だと思うんだ~。いったいどれだけ無駄な時間と無駄なお金をかけてリサーチしたんだろう、あまりにも突っ込み所満載すぎてどこから書いていいのかわからないくらい(笑)

日本人の話のはずなのに主要キャラ3人が中国人女優ってのはたしかに残念だがハリウッドでの知名度を考えたらしょうがないのでそこはともかくとしておいても・・・だいたい日本語と英語が中途半端に入り混じってて、ものすごく違和感ありすぎなんだよな~。
日本を舞台に日本人の話を作るんだから絶対全部日本語じゃないといけないとか京言葉じゃないとせっかくの雰囲気がでないじゃないかとかは思わないけれど、せめて英語か日本語かどっちかに統一しろよ( ̄▽ ̄;)
冒頭で、父親と売買人が話しているところとか、子ども時代の主人公が売られていく前に「いい子にするからぁ!」と言っているのが日本語だったので、お?(期待)と思ったのですが、その期待は即行で裏切られて花街についた途端に急に英語。方言じゃないんだから、急に英語がペラペラになってる意味がわからない。
だいたい出てくる日本語も「田中さん」「千代ちゃん」「おかあさん」「おねえさん」「延さん」「ありがとう」「お願いします」「早く早く」とかの片言程度だったら英語に統一してもよかったんじゃないのか?日本語を入り混じらせることになにか意味があるわけ( ̄▽ ̄;)?

それでも言葉はだんだん耳慣れして最初ほどの違和感がなくなってくるんだけどさぁ・・・一番致命的なのは工藤夕貴の役名。
字幕では「おカボ」って出てるけど発音が「パンプキン」・・・。
人名なのに「パンプキン」て・・・しかも昭和初期の時代に・・・Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン 

・・・そんな名前の舞妓も芸者もありえないだろう、なんだそりゃ( ̄▽ ̄;)

髪型は和髪とは言えないポンパドール風だし、お稽古場の建物とか寝巻き(?)とかはメイド・イン・チャイナですという主張ミエミエだし、中でも日本らしさを強調するはずの着物も帯のお太鼓がやたら大きくてぺしゃんこだしエキストラの中には右前合わせで着てる人もいたりでオマエ死人かよ!?と突っ込みいれたくなるような人なんかもいたりして全体的に着物の着方がなんだか変でなってないし、稼ぎ頭で大人気のはずの芸者は情緒の欠片も感じられない女王様ちっくなアバズレ娼婦のようでがっかりだし、神社の鈴は鳴らしたら除夜の鐘のような音がするし(鈴なのに?)、長屋っぽく(長屋なのかな?)家がひしめいているところで火事がおきたら普通そこらじゅうを巻き込んで全焼するのにそこだけですむのかよとか、だいたい芸者の売る芸ってあんな花魁みたいな高下駄ぽっくりを履いて歌舞伎だか能だかよくわからんがあんな舞を踊って見せるようなものじゃないはずだろう・・・たしかに画的にはキレイだけどさ、なんだか中途半端に「花魁」「芸者」「舞妓」が入り混じってる気がするんですが何アレ( ̄▽ ̄;)?

字幕も変だしさ・・・例えば、みんな「舞妓」って発音してるのに字幕では「半玉」とか・・・なんでわざわざ変えているのかが意味不明。たしかに半人前の芸者を「半玉」と呼ぶ地方もあるけれど、「舞妓」って発音してるんだから変える必要ないじゃん。京都では一般的に「舞妓」って呼んでるんだから、物語の舞台はきっと京都の祇園なんだろう。そういえば渡辺謙が演じる会長たちの会社も大阪だと言っていたし。

・・・とか、もうあげ出したらきりがないくらいに突っ込み所だらけ。あの世界観とか美にこだわったつくりは好きなんだけどな。

なんかねぇ・・・全てにおいて中途半端なんだよね、あはは( ̄▽ ̄;)(←もう笑うしかないというか・・・ここまでくれば、もうどうでもいいです)

まあ、原作も外国人が書いたものらしいから(まだ読んでいないけれど)きっと原作からして描写があんまり正確じゃないんだろうと思うんだけどね・・・まあそれは元々の文化的な違いがあるので誤解が生まれてもしょうがないのかなぁ。
日本の中でも特に情趣的であったり伝統的であったり雅やかであったりしてある意味日本人から見てもミステリアスな世界を取り上げているのに、リサーチが失敗しているのか誤解したまま理解してそのまま突っ走ったのか、その伝統的文化の良さが全然伝わらないような内容になっちゃってるのが惜しいんだよね、題材はいいはずなのに。多分、原作は素晴らしいんだと思う。だけど映画化したことで原作を、そしてその背後にある日本の伝統文化を台無しにしてしまったような気がするねぇ~、あれが日本文化だとしたら随分と底が浅い気がするんだよね~、なんだろうね~、この中途半端な消化不良さは~。
女優さんたちが舞妓や芸者の世界に入っているにしては実年齢が年をとりすぎているから気持ちが入り込めないっていうのもあるのかなぁ・・・(笑)

・・・しかし内容を振り返ってみれば、女の嫉妬と愛憎劇はよくできてたと思う。コン・リー怖すぎ。
でもアタマの中で整理していったらあんまり内容は深くないなーって・・・結局はジジコンとロリコンが底にある話なのか・・・と気付いてしまった時のショックったらもう・・・_| ̄|○

・・・そんな言葉でまとめるなよ、という声が聞こえてきそうですが( ̄▽ ̄lll)エヘ

映像美は認めますが、個人的にはそんなにオススメはしません(笑)
たしかに豪華絢爛ではあるがあれを素晴らしい日本文化だと認めるのは日本人としてちょっと恥ずかしいと思うので・・・それに毅然っていうより唖然だよ、おいらは( ̄▽ ̄;)
衣裳やセットやキャストや製作陣は豪華だとは思いますけどね~(着こなしと設定が変であることを除けば)。
でも人間関係と一人の女性の数奇な運命はよく描けていると思うので、観たい人は観てください(笑)
見所・・・あ、相撲観戦のシーンは舞の海を使ってて本物の相撲だったんでよかったですよ。渡辺謙、役所広司、桃井かおりも脇役ですが安定した演技でよかったです(桃井はちょっと固かったかな~、英語だからかな・・・桃井節が見たかったんですが(笑))。
あ、さゆりはチャン・ツィイーよりも子ども時代(千代と呼ばれていた頃)の大後寿々花のほうが見所です。この子、きっといい女優になると思うよ!

# パンフレットは横長の700円。けっこうスゴイ関係者がいっぱいいるんだなあとわかる紹介文と、芸者世界の豆知識とかもあって盛りだくさんの内容です。

※ 書いてる途中でコンセントが抜けて書き直しました。掲載が予定より遅くなってごめんなさい(T-T)

「SAYURI」関連サイト
SAYURI

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Comments

リクエストに答えていただいてありがとうございます!!!
なかなか厳しい評価ですね^^;
参考になりましたw

これを聞いて、改めてこの映画に興味をもつようになりましたww
映画じゃなくとも、DVDで見てみたいかもーと思いました!
コメントの内容にうなずいちゃったりw

どうもありがとうございまーす^^

Posted by: たぁ坊 | 2005.12.28 11:07 PM

うんうん、劇場で見るほどではないかな~と思います、キレイはキレイだと思うけれどべつに大画面で観る必要があるほどの迫力あるシーンっていうのはないので(^^;

Posted by: りす | 2006.01.05 09:33 AM

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