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ドッグヴィル


評価 : ★★★
(2004/2/21公開 デンマーク/ギャガ 177分)

美しき逃亡者があらわれ、一つの村が消えた。

審判の日がくる。

GyaO Cinemaで映画視聴ランキング1位になっていたので観ました。

あー・・・やっぱりラース・フォン・トリアー監督って悪趣味だよなぁ( ̄▽ ̄;)
ああ、またわかっているのに観てしまった・・・映画館やレンタルでわざわざお金を払って観たんじゃないだけまだマシか・・・。
この人、才能はあるけれど、ちょっと才能を持て余し気味なんじゃないかなっていつも思うんだけどやっぱりそうでした。映画監督じゃなかったらただの変態としか・・・あ、いや、失礼( ̄▽ ̄;)(←本当に失礼)

内容は・・・宣伝チラシのコピーですべて語られている気がしますが(笑)
ロッキー山脈の麓に孤立する村ドッグヴィルに住むトム(ポール・ベタニー)はジョージタウンの方向から銃声の音とともにやってきた美しい女性グレース(ニコール・キッドマン)を追っ手のギャング達から隠し、翌日、村の集会で2週間の期限内にグレースが村人全員に気に入られるよう各家庭の仕事の手伝いをすることを条件に村ぐるみで隠すことを提案。グレースの働きぶりに一時は村人達に受け入れられるのだが、やがて警察がやってきてグレースの捜索願の張り紙を貼ってから、村人達の態度が豹変していき・・・という人間ドラマ。

言わんとするところはわかるし、映像や手法は斬新だし、たしかに優れた才能の持ち主だとは思うんだけど、ある意味オカルトホラーよりもよっぽどタチが悪いんだよな~。多分、この監督にとっては「タチが悪い」なんて最大の褒め言葉だろうけど。

あんまり万人ウケする作品じゃありません。
倉庫みたいなところの床に白線をひいただけのセット(舞台稽古中?みたいな感じで最低限の物しかない)で3時間ほどの映画を撮ってるからっていう意味でじゃないですよ、それは観ているうちに気にならなくなりますから。

何が嫌って、後味が悪すぎることなんだよね。
それにこの作品を観て、人間とは・・・なんて考えようものなら人間不信に陥ってしまいそうで怖いですよ。
最初のほうはいい人そうでも、結局はそうなのかよ!っていう図ばかりで、人の善意の裏には必ず悪意(傲慢や弱さを隠すための偽の振る舞い)が存在するって言ってるようなものだからさ。
それに、猜疑心や嫉妬心や自己中心的な振る舞い・・・誰もが人の上にたちたがり誰もが自分を正当化したがるから、自分の間違いを晒され正しいことを言われると腹がたつんだっていうのを見せ付けられ、さあ考えろっていう作りだからタチ悪いったらないんだよ。
「傲慢」や「赦し」で人間の二面性(人間はある時はグレースであり、ある時は村人になり得るということに気づいたらわかると思いますが)を極端な角度から見せつけて、さあ考えろって言われても、やっぱり人間は悪意に満ちていますよね~うんうんっていうのを引き出したいだけなんだろうなって。
それは正しくもあり、間違ってもいるんだけど、どちらにしても事実、人とはそういう存在なんだってことだよね。
そんなの本当は誰でもわかってると思うんだよ。
だけど、そういう部分ってやっぱり醜いから晒したくないし見たくもないわけじゃん。
だから人はハッピーエンドを好むでしょう?シンデレラだって小公女だって逆境から幸せ掴むわけじゃん、もともとオチに復讐話がついてたものでさえ改良してハッピーエンドにした話だってあるわけじゃん、そういうのを昔から人は好んできたわけじゃん。
だけど、そんなの夢物語、本当は人間本来の姿は相当醜いってことをこの監督さんは語ってるわけだ。
それを画にして堂々と見せ付けちゃうんだからそういう意味でこの監督って毎回とっても悪趣味なんだよね。

純粋無垢なヒロインと自己中心的で身勝手な周囲の人々って構図は毎回同じだけど、何もそこまでヒロインを追い込まなくてもっていう画を撮りたがる人だからなあ・・・まあそうすることでヒロインをどこまでも純粋な存在として神格化しているんだろうけどー・・・でもあの壁のないセットでのレイプシーンだけは勘弁してくれ、つきつめた芸術のつもりで映画を撮ってるんだろうがやはりあれは人として嫌悪感しか抱けないよ・・・。

きっと監督本人が内心では性悪説を唱えている人間不信者なんだろうなって思うけどさー・・・だからってわざわざ映像にしなくてもっていうか・・・人間誰しも傲慢で自分勝手な部分があるってわかっててもあんな風に極端な形で3時間もかけて見せ付けられるのはやっぱり不愉快なんだよなぁ。まぁあんな閉鎖社会の中ではあれでも極端な形ではなくあり得る話なのかもしれないけどさ。

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』のように救いがなさすぎるよりはマシなオチだけど、やっぱり全体を覆う重苦しい空気と人間のエゴや醜さを並べ立てている画はあんまり好きじゃないや。
映画なんて娯楽なんだからさぁ・・・通常、後味が悪くてもまあそういう映画だから別にいいかっていう映画と、もう二度と観たくないっていう映画の2種類に分かれるんだけど・・・この監督の映画の場合、私の判定はほとんど後者(笑)
それにあのオチで「やっぱりあれじゃ腹立てても当然だよなぁ」って、やったねニコール・キッドマン万歳!って思ってしまうと、「ほら、あなたも善人気取ってても中身は悪人なんだよ」って言われてる気がして気分よくない(笑)

そんな感じなんで、作品の出来は素晴らしいと思うけど個人的に評価は低めかな。
映像やセットの効果は斬新だし、なにげに豪華俳優が出演してて演技もすごいと思うし、人間というものを理解したり考えたりする上では観たほうがいい作品なのかもしれないけれど、あんまりオススメはできません。
テーマは深いけどやっぱり後味悪いしね~、娯楽のつもりで見るには、正直、キツイわけですよ( ̄▽ ̄;)
わざわざ時間と金をかけて人間の嫌な面を見る必要もないかなってのもあるからね。

# ネット配信で観たのでパンフレット未購入。

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