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オリバー・ツイスト

評価 : ★★★
(2006/1/28公開 フランス・イギリス・チェコ/東宝東和 130分)

涙のあと 幸せはやってくる

アカデミー賞に輝く『戦場のピアニスト』の巨匠 ロマン・ポランスキーが贈る胸に迫る感動巨編

※ Amazonではリメイク前の作品しかまだ出ていませんでしたので、商品化が決定してからリンク張ります。

チャールズ・ディケンズ原作の不朽の名作を『戦場のピアニスト』でアカデミー賞を獲ったロマン・ポランスキー監督が映像化した映画として、最近、おすぎが絶賛の宣伝をしていた映画です。

おすぎ絶賛か~・・・どうだろうな~・・・おすぎが絶賛した中で個人的に好きな映画って『シュリ』だけだからちょっと不安だなぁ・・・とか思いながら観たら案の定( ̄▽ ̄;)

・・・悪くはないけど、展開がサクサク早過ぎて描き方が浅い( ̄▽ ̄;)

本当におすぎが絶賛???
・・・ごめん、おいらはそこまで絶賛するほど感動できなかったんですが( ̄▽ ̄;)

内容は、19世紀イギリスの救貧院にいる孤児のオリバー・ツイスト(バーニー・クラーク)はくじ引きで夕食の時におかわりを求める役に当たっておかわりを願い出たことで委員達の怒りをかい、一度は葬儀屋の主人に住み込みの手伝いとして売られるように引き取られるもののイヤガラセを受けて店を飛び出し70マイル彼方にある大都会ロンドンで行く。フラフラになって道で倒れているところをフェイギン(サー・ベン・キングズレー)という老人が率いる少年スリ団のリーダー、ドジャー(ハリー・イーデン)と出会い、彼らの仲間になるのだが・・・という『シンデレラ』『小公女』みたいなおとぎ話風味の児童文学。

イイ映画だとは思うよ、今までも何度も映像化されたりミュージカルにもなってるわけだから人気の素材だし物語も悪くないとは思うんだけど・・・展開(「どん底」→「少しイイ」→「悪い」→「少しイイ」→「悪い」・・・)のスピードが早過ぎて、観てるこっちも「かわいそう」→「よかったね」→「かわいそう」→「よかったね」と気持ちがすぐにころころ切り替わってしまうので、不運でかわいそうな子だと同情や感動に浸っている暇がなくてね・・・そもそもタイトルにもなっているオリバー・ツイストの不運や苦労があまりにも簡単に描かれてるのがイマイチに思えた理由なのかもしれないんだが・・・なんでだろうなぁ、何かが足りないんだよ( ̄▽ ̄;)

ということで。
8日に観てすぐ感想を書き始めてたんだけど、パンフレットを見たら過去に25回も映像化されているらしいのでオリジナル版がレンタルであるんじゃないか?と思ってTSUTAYAで探してきました。ほとんどがTV版だったらしいので、多分、最初のオリジナル作品ではないと思うんだけど1947年製作、1953年日本公開のモノクロ映画をレンタルしてきました(キャロル・リード監督1968年製作のミュージカル「オリバー!」は探したんだけどなかったのでリクエストしてきました( ̄▽ ̄;))
で、観てみたら、大筋は同じなんだけど描き方が全然違うんだよ!原作読んでいないけど監督によって解釈が違うってことなのか?
今回のロマン・ポランスキー版は素晴らしい俳優陣に加えてCGなしで80億かけてあの時代の雰囲気を損なわないセットを作って再現したっていう点ではスゴイと思うけど、悪いけど肝心の脚本は旧作のほうが断然イイよー!納得できるもん。今回の映画は観た直後に「んー・・・何か足りないような?」というもやもやしたものを感じる原因が何なのか自分でもよくわかってなかったんだけど、旧作を観ると「あっ、なるほど、そういうことだったのか!Σ( ̄ロ ̄lll)」と納得。
今回のリメイク版はイチバン重要である出生の秘密とか全部カットしてるので、富豪が人違いで痛い目に合わせてしまった子をかわいそうに思って引き取っちゃったというだけで終わってしまったのがイチバン痛いんだよ。たいした理由もなく養子縁組とか何の手続きもしないで拾った子どもを思いつきで引き取ってしまうほど世の中そんなに甘くないっての( ̄・・ ̄)ふんっ!(←汚れたオトナの考え)
あれじゃあ、まるで「わら」がない「わらしべ長者」みたいなもんだよ・・・あれで随分物語が浅くなってしまった気がする。もともとタイトルになっている本人は悪い環境の中でも清純無垢な心を忘れないというだけで特別自分で幸せを掴むという行動をしているわけじゃないからね。他力本願でも幸せになる理由づけがないとやっぱりどこか空白ができるというか・・・オリバーが背負っている不運な運命がどこからきているものなのかを描いているかどうかで完成度がこんなに違うんだねと思ってしまいました。

しかも主人公の子役の演技が脇役達に完全に負けてしまっているのでそれほど魅力を感じなかったよー・・・たしかに顔はかわいいし、表情も不幸そうで健気って感じはでてるんだけど、救貧院でろくにご飯も食べさせてもらえないような役のわりには別に痩せっぽっちで不健康そうには見えなかったんだよね~・・・だから最初に引き取られた葬儀店の奥さんが「おいで、痩せっぽっち!」って言ったのにも何か違和感を覚えてしまった・・・イジワルに思うかもしれないが、こういう役はまず形から入らないとなんだか納得いかないんだよな( ̄▽ ̄;)。・・・というか、タイトルにもなっている子どもを演じる子役の魅力を充分に引き出せなかったのは製作側の落ち度ではないかという気がするが(脚本がなぁ・・・)。同じ子役でも、オリバーをスリ一味に引き入れることになったドジャー(ハリー・イーデン)なんかは存在感もあってよかったんだけどなあ。
主人公以外は違和感なくピッタリでしたが・・・そうそう、中でもフェイギン役のベン・キングズレー!すごいよ・・・ラストまで誰かわからなかったよ、演技と格好(特殊メイクか?)であんなに変わるのか( ̄▽ ̄;)この人は見所のヒトツです!チェック!

ちなみに、ロマン・ポランスキーの二人の子どももチョイ役(葬儀屋を出て最初にたどり着く家の女の子が娘で、ロンドンの街中で輪を持って遊ぶ男の子が息子らしい)で出てます。パンフレットによれば、もともとこの二人の子どものためにってことで本作を作ったみたいですよ。

あ、そうそう。さっきパンフレットを読んでいたら1ページ使っておすぎのコメントが載ってたんだけど、以前、『戦場のピアニスト』でおすぎが宣伝担当した縁で、今回の撮影の時に見学に来ませんかと呼ばれて、向こうで監督に出会ってファンになった~みたいなことを書いてあったので、それで今回の映画も絶賛なのかもしれませんねー。
・・・アメリカでは「胸に迫る感動巨編」のわりには評判があんまりよくなかったらしくて公開2週間程度で打ち切っちゃったらしいですがね( ̄▽ ̄;)

# パンフレットは600円。おすぎを始めとした映画関係者や絵本作家などのコメントや舞台裏の話が多数掲載されています。(個人的には、それより出演者本人のインタビューページを増やせよ!と思いますが~)

「オリバー・ツイスト」関連サイト
オリバー・ツイスト

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