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マグダレンの祈り


評価 : ★★★★
(2003/10/11 イギリス/アイルランド/アミューズピクチャーズ 118分 R-15指定 原題『THE MAGDALENE SISTERS』)

前を見続ける、何があっても。

アイルランドの修道院。
3万人の少女たちの隠された真実の歴史。

24日に新作映画を映画館に観に行く予定なんだけど、それまで放置もアレなんでGyaOで観た映画の感想を書いておきます。
ある意味とても衝撃的な映画だったんで年明け1回目に書くような内容の映画ではないと思いましたが、映画としては非常に深いものがあるし女優さん達の演技は素晴らしいし、この内容に目をそらすのもまた違う気がするしね。

内容は、1964年のアイルランドにある性的に堕落した女性を祈りと洗濯労働によって神へ奉仕して罪を悔い改め更生させる目的で作られたマグダレン修道院へ、従兄弟にレイプされた罪で親に連れて来られたマーガレット(アンヌ=マリー・ダフ)、その持って生まれた美貌で周囲の少年の目を惹きつけてしまうことが罪とされて孤児院から連れてこられたバーナデット(ノラ・ジェーン=ヌーン)、未婚の母となったことが罪として生まれたばかりの子どもを神父に取り上げられて親に連れてこられたローズ(ドロシー・ダフィ)の3人の女性が経験する囚人以上に自由のない非人間的扱いを受ける修道院の実態を描いた衝撃の実話を元に描いた物語。俳優ピーター・ミュランの監督第2作目で、2002年ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞作品。(監督本人もちょこっと出演しています)

まず衝撃なのがこれが実話に基づいたものだということ。
それも、このテの修道院は実はいくつかあったようなのだけれども、最後の修道院は1996年まであったということ。1996年って言えば、つい最近ですよ?こんなことが現代で許されるの?
性的に堕落って言っても、ここに送られた女性は創立当初に想定されていた娼婦などではなく、どう考えても不当な理由で連れて来られたに過ぎないのに反論は一切許されず人間的扱いをしてもらえないなんて。
カトリックがどうのこうの言う気はないですが、あんな不当な理由で「家の恥」として親が子どもを手放してしまうもんですかね?
そしてそこまでして守らなければいけない宗教観や家って何なの?
これって守るべきはずの親が、子どもを闇に葬ってるのと同じだよね?
そしてもともとは娼婦を更生させるはずの施設だったというマグダレン修道院の中では、ちょっと頭のゆるいクリスピーナ(アイリーン・ウォルシュ)をおそらく騙して性的関係を結んだ堕落した神父、お金が何より大事で気にいらなければ神の名のもとに連れて来られた女性たちを虐待しまくるシスター達・・・あんたらのほうが精神的に病んでるから更生が必要だよとしか思えない。
・・・・・もう、おぞましいとしか言いようのない内容でした。
これがまた最近まで実際にあった実話だっていうんだからもう有り得ないよね。日本に生まれてよかったよ・・・。

この映画は公開当時、バチカンから抗議を受けたそうです。
まあ内容が内容だけに全ての神職者があんなのじゃないだろうからそりゃ抗議も受けるだろうねって話ですけれど、3万人もの少女達が不当に受けた悲しみと絶望、そういう実態が実際あったということに目を背けてはいけないような気がします。

アイルランドの映画ってあんまり観た記憶がないので、この映画に出ている女優さん達も知らない人が多かったんだけど、もうセリフを言わずとも表情だけで語れる女優さん達と、残酷な内容とは裏腹に美しい自然描写、批判に傾いているがゆえに淡々としているのにドラマ性もある一本筋の通ったストーリー展開・構成・編集、どれも素晴らしいものでした。そりゃ受賞もするわ。
ただ内容が内容だけに万人にオススメできるものではないと判断して★4つ。

# 関連サイトは既に消滅しているのかGoogle検索しても出てきませんでした。

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