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スラムドッグ$ミリオネア


評価 : ★★★★☆
(2009/4/18 イギリス/アメリカ/GAGA 120分 PG-12 原題『SLUMDOG MILLIONAIRE』)

運ではなく、運命だった―。

今年のアカデミー賞最多8部門受賞作品です。
(おお、そーいえばアカデミー賞の記事まとめてアップしてないぞ・・・( ̄▽ ̄;))

アカデミー賞効果なのかこれの感想を聞いてくる人が多いので先にアップすることにしました(笑)
(他のも早く書けよってなあ・・・orz)

感想といえばもう一言これに尽きるだろうなー。

いやあ、とにかくよく出来てた(驚)

ただ面白い映画だとは思うけど、アカデミー受賞というのは少し不思議かも。 
アカデミー賞ってだいたいアメリカ映画らしい作品(やたら豪華だったり説教くさかったり金かけてたりいろんな意味でね)が獲得するのが主流じゃない?
ところが本作は監督はイギリス人だし、オールインドロケでセリフも字幕(通常の日本語字幕だけじゃなくて、インドの言葉で喋ってるので英語字幕つき)の部分が多いし、有名な俳優も出てないし現地でスカウトした子を使ってたりするし、パッと見てわかるくらいの低予算映画だからこれが各映画賞総なめの受賞なんて異例なんじゃないかなあ。
・・・あ、まあ底辺から這い上がるっていうアメリカンドリームっぽいストーリーは今の世相に反映して合うだろうからってのもあるのかなあ(大統領もオバマに変わったし)。アカデミー会員じゃないから世相反映とかあるのかどうかわかりませんけど。

内容は、インドの国民的人気番組“クイズ$ミリオネア”で、ムンバイ出身でスラム育ち・無学の青年ジャマール・マリク(デヴ・パテル)が、次々と難問をクリアし、ついにいまだかつて誰も辿り着けなかった残り1問までやって来たのだが、最終問題前に番組の放送時間が終わり翌日持ち越しになった直後にイカサマの容疑をかけられ、警察で拷問されるハメに。しかしそれはイカサマではなく彼の過酷な人生そのものが、出題された問題の答えにつながっていたと、その過去を語り始め・・・という現在、過去を行き来しつつ波乱万丈の人生と未来に待つ最終問題の結果となぜミリオネアに出演したのかその目的は何かを少しずつ暴きながらスリリングに描いたドラマ。
原作はヴィカス・スワラップの『ぼくと1ルピーの神様』で、監督は『トレインスポッティング』のダニー・ボイル。

始まって1時間ほどの間は、そのある意味とてもリアルな残酷映像(子ども虐待、暴力、死、裏切りなど)に観に来たことを少し後悔しかけたんだけど、まあラストまで観てしまうと、あぁよくできていたなあと。
あの120分の枠の中でよくあんなにわかりやすく今のインドの状況を描きながらヒューマンドラマやラブストーリーやいろんな要素を詰め込めたものだと驚き。多分、あの空気感はインドじゃないと撮れないでしょうね・・・そういう何かを持った映画な気がする。
ストーリー自体は思い返してみると単純で先も読めるんだけれど、強烈な生命力や躍動感に溢れたインドそのもののような底知れぬパワーに溢れた作品になってましたんで。

なんかアレだよね、インドってカレーと自分探しで変な体験しに行くところっていうイメージしかなかったんだけど(パンフレットにコラム書いてた人も同じこと書いてたから多分そう思ってる人多いんじゃねーかなーと個人的には思ってるんですが( ̄▽ ̄;))、オリンピック前の上海に行った時と同じような感覚を思い出しました。富裕層と貧困層の差って激しいんだねー。

人生いろいろあるけど無駄なものはない、とか、純粋な気持ちを持ち続けるのは大事なこと、とかいろいろ解釈はあるんでしょうけどそれよりなにより、現実の残酷さを描きながらもハングリー精神を忘れず過酷な状況の中でも前向きに生きる人の輝き(特に子どもの目の輝きは素晴らしいね)が詰まってたのが印象的。

あと、音楽とスピード感や、「クイズ$ミリオネア」自体が日本でも馴染みがあったってのもあってわかりやすかったのもよかったね。
・・・しかし番組のセットや音楽はそのまま真似して作ったり使ったりできるからともかくとして、司会ってどこの国でもみのもんたみたいなんだろうか・・・そういえば今ドラマでやってる「ザ・クイズショウ」もあんな感じの司会っぷりだよな、ストーリーは違うけど( ̄▽ ̄;)

・・・で、インドといえば個人的に自分の脳内では「ムトゥ 踊るマハラジャ」が強烈にインプットされてるんですけど(だってストーリー始まる前に画面にでっかく「スーパースター ラジニ」なーんて出るんだよ?あんなのやるってインドくらいじゃね・・・?)、やっぱりあの作曲家なのか~とか(ある意味独特)、やっぱり最後には意味があるんだかないんだかわかんないけどミュージカルっぽく踊っちゃうのか~とかいろいろ余計なことも思ってしまいました・・・まあインドらしいといえばインドらしいのかな・・・ますますボリウッド映画(インド映画産業のこと)っぽいなー( ̄▽ ̄;)

まあ、あの疾走感とスリリングな展開とセンスのよさはたまらないものがあるし、うさんくさーい「はいはい、わかりましたー」と言いたくなるような説教映画にはなってないのがよかったし(子ども時代に生きていく知恵とかすごいけどコメディとしても面白いし)、文句なく高評価できる映画だと思います。

思いますが。

・・・なんで満点じゃないのか?
もちろん、予想してなかったくらいリアルすぎる暴力描写にびびった(低予算だからか盛り上げ部分との関連で余計そこに時間かけてるように見えるんだよなー)ってのもあるんだけど、まあなんというか、ストーリーの先がだいたい読めるんだよね。
普通に考えて、あんなに都合よく知ってる問題ばっかり出るかよっていう突っ込み所もありますし(まあそれを言ったら始まらないが)、あとなんというかー・・・「若者のすべて」っぽいなあって。成長した兄弟が別々の道を歩み、やがて片方は破滅し片方は成功、そして恋人は~・・・っていう図式。みんな好きだよねー、この展開。

まあそんな感じで、個人的には満点とはいかないです。
前評判がやたらとよかったので期待しすぎてた部分もあったのかもしれませんが。
ただ、まあ本当によく出来ている映画だとは思います。
受賞したことで大きく取り上げられたけど本来なら地味~に単館上映されてDVDで観るような映画だったかなって気がするんだよなあ、そこに何か違和感があるのかもしれない。(あくまで個人的に思ったままです( ̄▽ ̄;))

# パンフレットはミリオネアらしく金色(笑) 主人公のキャスティングがどうして決まったのか(かなり重点を置いていたらしい)とか、現地でスカウトしたとかいう話もたくさん載ってます。

「スラムドッグ$ミリオネア」関連サイト
映画『スラムドッグ$ミリオネア』公式サイト

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