ライフ・イズ・ビューティフル


評価 : ★★★★☆
(1999/04公開 イタリア/アスミック・エース 117分)

人生は、たからもの。

いつかこの作品を取り上げようと思ってずーっと書いていたんですけど文章がまとまらなくて・・・もうね、この映画は一言で語り尽くせない魅力が満載なんですよ。
人としての愛のあり方というか、愛に包まれ愛を与える人生は素晴らしいというか・・・ああ、まとまらない~・・・を繰り返しててね・・・でも、ちょうどヨーロッパ映画祭の3本目でやっていたのでそろそろまとめて公開します(って多分、思うところがいろいろありすぎて文章として表現しきれないからまとまってないと思うけど(^^;)。

あの時代の背景にリアリティを追求する人にはウケが悪かったみたいですけど、私はとても好きな映画です。
ロベルト・ベニーニ監督・脚本・主演作で1998年のカンヌ国際映画祭で審査員特別グランプリを受賞、他にも同じ年のアカデミー賞(主演男優賞、音楽賞、外国映画賞)、ヨーロッパ映画賞などなど、たくさんの賞を受賞しています。

内容は、1937年、イタリアはトスカーナ地方の小さな町アレッツォで本屋を開く志を抱いてやってきたユダヤ系イタリア人のグイド(ロベルト・ベニーニ)が車の修理中に立ち寄った場所で、美しい小学校教師ドーラ(ニコレッタ・ブラスキ)が小屋の上から降ってくるというまさに運命的な出会いをして彼女に恋をし、叔父ジオ(ジュスティーノ・ドゥラーノ)の紹介で当座の生活のためにホテルのボーイになって、なぞなぞ好きのドイツ人医師レッシング(ホルスト・ブッフホルツ)らと交流したりしながら、ドーラの前に何度も思いがけない方法で登場。いつしかドーラもグイドに心惹かれるようになり、幼馴染との婚約パーティの席で、大胆にも2人で逃げ出して結ばれる(※ここまでが前編)。
息子ジョズエ(ジョルジオ・カンタリーニ)にも恵まれ、幸せな日々を過ごしていたが、時はムッソリーニによるファシズム政権下でユダヤ人迫害の嵐が吹き荒れ、ある日、ドーラが自分の母親(マリザ・パレデス)を自宅へ招待しようとしたわずかな隙に、グイドとジョズエと叔父ジオが強制収容所に連行されてしまう。ドーラも迷わず後を追って、自分から収容所行きの列車に乗り込むが男女別々の建物に入れられて会うことができない。そんな中、グイドは幼いジョズエをおびえさせないように「ここでゲームをやって得点を稼げば戦車が貰えるんだよ」と必死の嘘をつき続けたり、放送室に忍び込んで妻に呼びかけたりと、悲惨な生活の中でもユーモアを交えつつ命がけで愛する家族を想って生き長らえさせるために尽くす姿を描いた感動作。

前半がものすごく明るく楽しい雰囲気で押しまくっているので、最初は、「なんだこの変な奴は・・・口先だけでその場その場を切り抜けていこうだなんて無責任男丸出しだなぁ・・・」とあまりにも一昔前のコメディちっくでありえない展開の連続にちょっと引き気味に観ていたのですが、そのおかげで後半の悲惨な状況の中での親子愛や夫婦愛が余計際立っていることに気付きました。演出やセリフがイイよね。

特にあの「ボンジョールノ!お姫様!」というフレーズが妙に印象的でした。あれって前半では軽薄に聞こえたけれど、後半のあの状況の中で危険をおかしてそのセリフを妻に届けるシーンではもうノックアウトですよ、胸にずっしりくるセリフですね、曲の件もしかりですけど上手すぎ!(そういえば、グイドとドーラの役をしていた二人は現実でも夫婦なんですってね!)

そしてあの子どもへの愛情溢れる嘘。
ユダヤ人という理由で収容所に集められて強制労働させられているのに「ゲームに参加しているんだ、点数がたまって1番になったら最後は戦車がもらえるよ」・・・なんてもう素敵すぎます。嘘をついていられる状況ではないのに息子のことを思い遣ったあの言葉。
ただの道化師めいた人ではなく実はものすごく芯の通った男だったのですね。
あの悲惨な状況の中だというのに、あんなに薄汚れた格好でふらふらになっているというのに、いつも息子と妻のことを想っているグイドは、いつでも光り輝く太陽のような人でした。少なくとも、私にはそう見えた。
息子のジョズエが隠れている前を銃を背中に突きつけながらもふざけた態度で行進しながらウインクして大丈夫だよと安心させるように通り過ぎる父の姿にその大きな愛が表れていて涙が出そうになりました。
だから、物影の向こうからあまりにもあっさりと響いた銃声には一瞬息が止まりました。
あまりにも安易で簡単すぎて盛り上がりのBGMもなくサクッと命の灯火が断たれてしまった。
人の人生ってなんて儚いんだろう・・・っていうのがあのシーンにキュッと詰まってました。
そうだよね、普通、人が死ぬ時でもBGMなんか鳴らないし・・・決定的な死のシーンを見せないというのはある意味とてもいい演出かもしれません。

・・・で、ここで終わってしまったらただせつなく悲しくなって終わりってことで後味が悪いのですが、最後は、「ゲームに勝ったら戦車がもらえるよ、戦車でおうちに帰るんだ」と言ったグイドの嘘が現実になったかのようにアメリカの戦車がジョズエの目の前に現れ、中の人が乗せてあげようって乗せてくれて途中の道で「ママ!」とジョズエが母の姿を見つけて、母子が太陽の光の下で再会するという・・・ラストはちょっとご都合主義的だけど、いいじゃない。
たしかに、本当のユダヤ人の収容所生活はあんなにコミカルに切り抜けられるものではないと思うし、こんなにご都合主義的にいいタイミングで戦車が現れるとは思えませんけど、でもこれは家族を守る一人の男の生き様を描いた映画なんだからOK!
このラストでこそ、「ライフ・イズ・ビューティフル」ですよ、人生ってなんて素晴らしいんだろう!
グイドはいつも大きな愛を与えて、そしてその彼が守り抜こうとした家族の愛に包まれて人生を謳歌しきったんだと思いました。だって最後に命がけでついた嘘が現実になったんだもの!あそこに戦車を連れてきたのはもしかしたらグイドだったのかもしれないって奇跡を感じましたヨ。あそこで嘘が現実になるという奇跡があったからなお、人生は捨てたものじゃない、とても素晴らしいものなんだと思うわけです。

グイドのどんなに困難な状況の中でも愛とユーモアを忘れないその姿勢は立派な父であり夫でした。
ああいうのが「父」なのですよ、世のお父さん達!
あなたは家族を守るためにいつでも命を捨てる覚悟ができていますか?

たしかに、奥さんを探しに出て行かなければラストは親子3人で会えたのかもしれない。だけどそれだと、ただの御伽噺になってしまうからあれはあれでよかったんだと思います。むしろ、グイドが母子を引き合わせたような感じがして、母と子の後ろにこれからはずっといつでもいてくれているような気がしました。
決して完全なるハッピーエンドとは言えないけれど妻子はグイドの大きな愛で守られた気がして、後味悪くなくむしろ清々しさすら感じる映画でした。

あ、そういえばあの医者はかなりいただけない野郎でした。
なんなんだオマエは!使えん奴め!と突っ込みたくなりました、そこが不満~。

それ以外はかなりオススメです。家族愛の形を再確認してみてはいかがでしょうか?

# 旧作、企画上映で観たためパンフレット未購入。

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